オフィスを新しく構える際に気になるのは、まず「立地」「賃料」「広さ」ではないでしょうか?賃料は固定費となるため、できるだけ安く抑えたいものです。とはいえ、従業員数に合っていない広さでは従業員のストレスがたまり、作業の効率性は上がりません。また、働く人にとって快適な環境であることも求められます。

今回は主要都市の賃料相場や、適正な賃料・広さの算出方法についてご紹介します。これからオフィスを構えることをお考えの方はぜひ参考にしてください。


<目次>

■主要都市の賃料相場

ここでは、日本を代表する3大ビジネス都市である「東京」「大阪」「福岡」のオフィス賃料相場について解説をします。賃料は時期によっても異なりますので、ひとつの目安と考えてください。また、竣工年・立地・規模・設備内容によって賃料は大きく異なりますが、今回はすべてを平均した金額です。
出典:内閣府 地方創生推進事務局『2021年 賃貸オフィスビル市場の動向について』より引用

〇東京
東京23区は日本のオフィス街の中心であり、オフィスビルの総数は全国でトップとなっています。2020年12月の平均募集賃料(共益費除く)は1坪当たり21,999円で、一番高いエリアです。次に多い横浜エリアは12,271円で約8割の差をつけていることから、東京の賃料は群を抜いているといえます。

〇大阪
同月における大阪のオフィス平均賃料は、1坪当たり11,925円でした。東京に次ぐ第2の大都市ですが、坪単価で約1万円近い差がついています。大阪府の中心エリアである北区エリアは通称「キタ」と呼ばれており、梅田や天満、堂島、南森町といったエリアが含まれています。その中でも梅田は大阪府ひいては西日本でトップクラスのオフィス街として知られています。

〇福岡

同月における福岡のオフィス平均賃料は1坪当たり11,086円でした。博多駅前では新築オフィスはほぼ満室となり、盛況ぶりを見せています。2021年9月には福岡の中心部である天神地区に最新設備を備えたオフィスビル「天神ビジネスセンター」が誕生しました。

■適正な賃料と広さの計算方法

オフィスの賃料は企業のランニングコストになります。したがって、立地や広さ等に見合った賃料であることが必要です。ここでは、オフィスの適正な賃料と広さの計算方法についてそれぞれ解説します。

〇売上(粗利益)による賃料の目安

賃料は企業にとって販売管理費項目の中でも大きな割合を占めるコストです。 一般的にオフィスの賃料は売上総利益(粗利益)に対して10~20%の範囲に収めるのが適正とされています。

粗利益は売上から原価を差し引いた利益です。月間の売上額に粗利益率をかけることによって算出できます。売上は一定ではないため、ある程度余裕を持つ必要があります。

たとえば月間の売上高が500万円で粗利益率が30%の企業の場合、粗利益は「500万円×30%=150万円」となります。

このケースでは適正賃料の比率が10%なら15万円、20%なら30万円となります。利便性の高いエリアにオフィスを出店したい場合は賃料が30万円以内、コストを抑えたいなら15万円以内の物件を検討するのがよいでしょう。

〇人数に対しての適正な広さ

オフィスは働く人数に対して適正な広さであることも必要です。オフィス面積は労働生産性に大きな影響を与えます。いくら賃料を抑えるためといっても、狭すぎるスペースではクオリティの高い仕事ができません。

コクヨが調査したデータによると、従業員300名以下の規模で、一人当たりに必要なオフィス面積は約10.5平方メートル(約3坪)とされています。とはいえ、一定の距離を保つ必要があるので、通路幅や机と机の間にはある程度余裕がなければなりません。約3坪(共用部面積含む)にプラスアルファをみておきましょう。

したがって5名前後の少人数で事業をスタートさせるときは、「3坪(1名に必要な広さ)×5人(働く人の人数)=15坪」で、約15坪のオフィスが必要です。

たとえば東京の主要エリアにおける賃料の目安は以下の通りです。同じ東京でもエリアによって立地条件が違うため、平均賃料に違いが見られます。

【少人数(5名前後)】※15坪、2020年12月の賃料(坪)で算出

<千代田区>
平均賃料(1坪):23,622円
15坪の賃料目安:354,330円
一人当たりの賃料目安:70,866円

<中央区>
平均賃料(1坪):19,723円
15坪の賃料目安:295,845円
一人当たりの賃料目安:59,169円

<港区>
平均賃料(1坪):22,316円
15坪の賃料目安:334,740円
一人当たりの賃料目安:66,948円

<新宿区>
平均賃料(1坪):19,943円
15坪の賃料目安:299,145円
一人当たりの賃料目安:59,829円

<渋谷区>
平均賃料(1坪):23,816円
15坪の賃料目安:357,240円
一人当たりの賃料目安:71,448円

出典:内閣府 地方創生推進事務局『2021年 賃貸オフィスビル市場の動向について』より平均賃料のデータを引用し作成
https://www.chisou.go.jp/tiiki...
 P37


〇共用部をシェアすることで持てるゆとり

オフィスの面積が広いと賃料が高くなり、光熱費などのコストも上がることになります。とはいえ、狭すぎても従業員に過度な精神時ストレスを与え、仕事の生産性は上がりません。

したがって、オフィスビル内にテナント同士でシェアできる共有部があるとよいでしょう。自社で借りているスペース以外にも、社員が作業をしたりリラックスしたりする空間があることで、無駄な賃料を省きながら従業員にとって適切な環境を提供できます。

■ゆとりあるオフィスが社員へ与える好影響

ストレスなく働ける環境が整えられているオフィスが社員へ与える好影響には次のようなものがあります。

〇広い作業スペースによる効率化
働きやすいオフィス環境をつくるには、人数に合った広さのオフィス面積が必要です。加えて机のレイアウトや座席運用等にも、作業をしやすいように工夫するのがよいでしょう。

社員同士で会話をしながらアイデアを出していく作業や打ち合わせが多い業務など、共同作業が多い職種では円卓型を採用するのもひとつの方法です。自社の業務内容に合わせた配置にすることによって、作業スペースを効率良く使えます。

〇~ウェルビーイング~居心地の良さと健康

「ウェルビーイング(well-being)」とは、直訳すると「幸福」「健康」という意味があり、肉体的、精神的、社会的において満たされた幸せな状態を指しています。

1日の大半を過ごす場所であるオフィスには、働く人の健康や心身に気を配ることが大切です。社員全員が満たされた気持ちで働くことにより、クオリティの高い仕事を成し遂げることができるでしょう。

■企業の成長性を高めるにはゆとりあるオフィスが必要

スタートしたての企業の場合、自社の売上や規模に合った広さや賃料のオフィスを選び、無理のない経営をしていくことが大切といえます。しかし、従業員が働きやすい環境を構築することも忘れてはならない課題です。

H¹O(エイチワンオー)
では、日本橋や虎ノ門などの主要オフィス街に「あえて行きたくなる」オフィスをご提供しています。働く人の「ウェルビーイング」に寄り添ったサービスや設備が人気です。ぜひ、ご利用してみてはいかがでしょうか。

(画像= Pixel-Shot / stock.adobe.com)

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