2015年に世界で認められたSDGsは、日本でもその知名度が高まっており、多くの企業が関心を持ち、企業経営にも取り入れられています。企業がSDGsに取り組む方法は、さまざまありますが、どの企業でも取り組みやすい事例には環境に配慮したオフィス改革が挙げられます。

今回は、SDGsを企業経営に取り入れる意義を明らかにした上で、SDGsへの取り組みとして有効なオフィス改革の具体例も紹介します。


<目次>

■SDGsとは

SDGs(Sustainable Development Goals)とは、貧困、紛争、気候変動、感染症など人類が直面している数多くの課題を解決するために、2030年までに達成すべき17の持続可能な開発目標のことです。2015年9月に国連サミットにて、加盟国全会一致で採択されました。持続可能とは、すべての人類が地球という環境で安定して暮らし続けられることを指します。

具体的には、貧困をなくす、すべての人に健康と福祉を、働きがいも経済成長も、気候変動に具体的な対策を、といった17のテーマに対して、具体的な目標の設定と実現するための方法も提示しています。

■SDGsを企業経営に取り入れる意義

日本でもSDGsを企業経営に取り入れた事例が数多く存在します。環境問題や福祉に取り組む場合は、コストの問題が懸念されますが、それ以上に企業が経営にSDGsを取り入れる影響が大きくなるケースが増えています。具体的な意義は下記の通りです。

●ビジネスを通して社会貢献ができる

これまでの日本企業の社会貢献のあり方は、余剰資本を利用して行う取り組みが大半でした。しかし、SDGsにおける課題の解決は、ビジネスを通して社会貢献をすることです。SDGsにおける問題に自社の事業を通して取り組むことが、長期的な企業の成長につながります。SDGsには数多くの課題があるため、企業の得意分野を活かせるSDGsに関わるビジネスを進めることが理想です。

そのため、SDGsに取り組まないことは今の時代に逆行していると言えるでしょう。

●事業機会が広がる

SDGsへの取り組みにより、自然保護活動団体などさまざまなNPOとの関わりが生まれる場合もあります。同じ社会課題を解決する団体と協力すれば、新たなビジネスを生み出すことも可能です。また、投資家の間では、ESG投資と呼ばれる環境・社会・企業統治に配慮している企業に投資することがトレンドになっています。SDGsへ取り組むこと自体が投資家に対するアピールとなり、出資が増えて事業を拡大しやすくなる可能性があります。

■SDGsへの取り組みを始めるならオフィス改革から

企業がSDGsに取り組むなら、まずは環境に配慮したオフィス改革が必要です。なぜなら企業がSDGsに関わる方法は事業内容によって異なりますが、オフィスは共通して改革することで環境に対する取り組みができるからです。サービスオフィスを提供する野村不動産の「H¹O(エイチワンオー)」では、環境認証を取得し、CO₂の削減にも特化したオフィス空間を設計しています。

■環境認証を取得したオフィス「H¹O平河町」の特徴

H¹Oはオフィス物件として、「H¹O平河町」を2021年にオープンしました。環境への配慮だけでなく、抗菌・抗ウイルス製品の導入により感染症対策設備も整っています。野村不動産の試算では、年間のCO₂削減量・固定量は、当社の試算では6.98tを見込んでいます。杉の木が年間に吸収するCO₂に換算すると498本分です。H¹O平河町では、SDGsにおける環境問題に対して具体的に以下の取り組みを行いました。

●国際的森林認証制度「SGEC/PEFC プロジェクト CoC 認証」の取得

H¹O 平河町は、国際的な森林認証制度である「SGEC/PEFC プロジェクト CoC 認証」を2020年12月22日付けで不動産デベロッパー、オフィスビル分野で初めて取得しています。PEFCは、1999年に設立された世界最大の国際森林認証制度で、SGECは2003年に創立された日本独自の認証制度です。相互承認の関係にある2つの認証制度には、「SGEC/PEFCプロジェクトCoC認証」と呼ばれる建築物におけるプロジェクトが持続可能な森林経営を行っているかどうか判断する仕組みがあります。

H¹O平河町
の外観と専有部に採用されている木のルーバーは、CoC 認証を取得している業者から仕入れた木材にて加工された多摩産材・杉の木を用いています。木ルーバーは、木そのものが大気中のCO₂を含有させるため、設置することで2.98t のCO₂を削減可能であり、空調の負荷を低減しさらに1tのCO₂を削減できる見込みです。こちらの木材は、林野庁によるとリラクゼーション効果や、知的生産性の向上が期待できるというデータもあり、働く人にとって快適で過ごしやすい環境を作っています。

●カーボンオフセット

H¹O平河町の共用部に使用されているタイルカーペットは、インターフェイス社製を採用しています。カーボンニュートラルを実現したこちらの商品は、従来の製品で排出していた3tのCO₂の削減に成功しました。こちらのタイルカーペットによるCO₂の排出量は実質0になります。

参照:野村不動産プレスリリース「「H¹O(エイチワンオー)平河町」2021 年 2 月 19 日開業」
https://h1o-web.com/cms/files/...

■まとめ

企業がSDGsへの取り組みを始めるなら、まずは環境と働く従業員にも配慮したオフィスに改革することが重要です。地球環境に配慮した新たなオフィスの形とは、環境のために利便さを犠牲にするのではなく、労働環境にも配慮した上で社員にとっても働きやすい場所である必要があります。H¹Oでは、企業のSDGsへの取り組みを支援する理想のオフィスを提供しています。SDGsが目指す持続可能な社会の実現のために、できることから始めていきましょう。

(画像=metamorworks / stock.adobe.com)

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