オフィスコンセプトという言葉を聞いたことがあるでしょうか。社内にある課題を改善するだけでなく、会社の経営理念を社外に示すことができるのがオフィスコンセプトです。本稿ではオフィスコンセプトの効果や作成するポイントを紹介し、併せてオフィスを移転する目的・効果について考えます。


<目次>

■オフィスコンセプトとは何か、なぜ必要か

オフィスコンセプトとは、会社やオフィスをつくる際の基盤になる概念のことをいいます。コンセプトに基づいて統一された認識とデザインで構築されたオフィスにすることで、多くのメリットが期待できます。

オフィスコンセプトは2つの目的において必要です。1つは取引先や外部に自社の経営理念や目指すことを伝えるため。もう1つは社員が高いモチベーションで働けるようなオフィス環境を構築するためです。

また、最近は「おしゃれで働きやすいオフィス」というポイントが就職先を選ぶ基準として重視されるようになっています。求職者にアピールできるように明確なオフィスコンセプトを持たせることが重要です。

■オフィスコンセプトを持たせることで得られる効果

オフィスにコンセプトを持たせると、オフィス機能の改善と組織的課題の改善につなげることができます。

・オフィス機能の改善

具体的なオフィス機能の改善が必要な場合は、コンセプトを変えるよいタイミングになります。「会議室が足りない」「社員数が増えてデスクの増設が必要」などのケースです。社会状況によってテレワークで勤務する人の数も変わるため、固定席にせずフリーアドレスに改めることで柔軟なオフィススペースの活用が可能になります。

・組織的課題の改善

会社には組織として改善すべき課題もあります。「組織が縦割化していて社内全体のコミュニケーションが不足している」「会社の理念が社員の間に浸透していない」などの問題点があれば、改善のためにオフィスコンセプトを明確にすることが大事です。離職率が高い場合は、社員にとって働きやすい環境に変えることで社員の定着率が向上する効果が期待できます。

■オフィスコンセプトを作成するときのポイント

オフィスコンセプトを作成するときには、いくつかのポイントがあります。

・会社の理念やコーポレートカラーを表す

どういう企業にしたいかという会社の理念を表すことはオフィスコンセプトの基本です。ホワイトを基調にした特徴のないオフィスであれば、コーポレートカラーに合わせた内装に変えるのも有効な方法です。環境問題に取り組む会社であれば、観葉植物を多めに配置したオフィスにする、金融や保険なら落ち着いたブラウン系の内装にして信頼感をイメージさせるなど、いろいろなコンセプトが考えられます。

・社員の意見を生かす

オフィスで働いている社員の意見を生かすのも職場環境の改善につながります。実際に働いている社員から機能的に不便を感じていることや、組織として問題と感じていることを聞くことで改善のヒントにすることができます。部署によって問題点が異なるため、部署ごとに問題点を洗い出し、全体のコンセプトに集約させるという方法も有効でしょう。

・社会のトレンドに合わせる

事業にとって社会のトレンドを取り入れることは極めて重要です。最近のオフィストレンドでは、フリーアドレスや間仕切りの少ないオープンなレイアウトが目立つようになりました。昔ながらの画一的なデスクの配置では一昔前の印象を与える可能性があります。

また、社会的に「ジェンダー平等」の気運が高まっています。オフィスコンセプトの構築にも、性差関係なく働きやすいオフィス環境や組織づくりを取り入れることが重要になるでしょう。

■オフィスを改装する目的と期待する効果

オフィスを移転する予定がない場合、現状のオフィスを改装することでオフィスコンセプトを構築することになります。オフィスの改装で期待できる効果の1つは社員のモチベーションがアップすることです。古くなった内装が一新され新鮮な気持ちで勤務できることや、新たに休憩スペースを造るなど機能面の充実により社員の満足感が高まる効果が期待できます。

ほかにも来訪者に対する会社のイメージアップや、照明やエアコンを節電タイプに変えることでコストを削減する効果も考えられます。

■オフィスを移転する目的と期待する効果

会社の経営状況に合わせてオフィスの移転を考える場合もあるでしょう。オフィスを移転する目的は、社員数の増減に対応するという物理的な要因だけではありません。オフィスコンセプトを明確にするよい機会にもなるのです。とくに移転するときは転居先のオフィスレイアウトをはじめから設計するので、固定席からフリーアドレスに変更しやすいタイミングになります。会社の場所自体が変わるので、単なる改装よりも企業イメージの刷新をアピールすることができます。

オフィスにコンセプトを持たせることは、社員のモチベーションを上げるだけでなく、対外的に自社の経営理念を示すことができます。
改装や移転を計画している場合は、この機会に効果的なオフィスコンセプトの構築を目指すことが望まれます。

(画像= Blue Planet Studio / stock.adobe.com)

おすすめコンテンツ

OFFICE LINEUP

野村不動産の多彩なオフィスラインナップ

お電話からのお問い合わせ・ご相談はこちらから

call 0120-888-425

営業時間/9:00~17:40(土・日・祝定休)
野村不動産株式会社 開発事業一部
国土交通大臣(14)第1370号

関西物件の問い合わせ・ご相談はこちらから

call 06-4391-3220

野村不動産株式会社
西日本支社都市開発事業部