オフィスにはいくつかの種類があります。なかでもコワーキングスペースは1時間から手軽に利用できるオフィスとして、個人事業主や小規模事業者の利用に適しています。コワーキングスペースの特徴と、東京都内のコワーキングスペースを短期契約で利用するメリットを紹介します。


<目次>

■コワーキングスペースとはどんなオフィスか

コワーキングスペース(Co-Working Space)は、直訳すると「共同で作業する場所」を意味します。
最近はカフェにノートPCを持ち込んで仕事をする人もおり、コーヒー代を払って席を使用している意味では、コワーキングスペースに近いと考えることもできます。ですが、コワーキングスペースの方が業務に必要なものが充実しています。

■コワーキングスペースに向いている人

コワーキングスペースにオフィスを持つのに向いているのは、次のような人たちです。
・1人で作業することが多い人

コワーキングスペースは、小規模なオフィスなので1人で仕事をする人に向いています。ノートパソコンでの作業が中心の人ならコワーキングスペースを利用すると安いコストで仕事ができます。

・仕事の場所を移動したい人

仕事の場所を1日単位で変えたい人にはコワーキングスペースが最適です。得意先が一定しておらず、東京23区内を日によって移動する営業スタイルの人は、いろいろなエリアのコワーキングスペースを利用するほうが機動的に動けるでしょう。

■コワーキングスペースとレンタルオフィスの違い

コワーキングスペースとレンタルオフィスには似たようなイメージがありますが、いくつかの違いがあります。
まず、レンタルオフィスは自分の固定席が用意されているのに対し、コワーキングスペースはフリーアドレスが中心になっています。したがって、レンタルオフィスは荷物を置いておくことができますが、コワーキングスペースはその都度持ち帰らなければなりません。
もう1つは次に説明するように、料金体系の違いです。レンタルオフィスは多くの事業者が月額料金ですが、コワーキングスペースは1日や時間単位でも利用することができます。

■コワーキングスペースの料金プラン

コワーキングスペースの料金プランは、主に次の3つのタイプが用意されています。

・ドロップイン(単発利用)

ドロップインは、1日や1時間など単発で利用できる料金体系です。月に数日しかオフィスを利用しない人に向いています。営業先がその日によって違う人にも便利です。

・月額料金

月額料金は、一般のオフィスと同じく1ヵ月ごとに料金を支払う方法です。利用日数が少なくても同じ料金がかかるため、ケースによってはコスパが悪い場合があります。

・年額プラン

年額プランは1年分をまとめて支払う方法で、月額料金よりも安くなるのが一般的です。ただし、1年間確実に利用するという計画性がないと損をすることも考えられます。単にコストが安くなるという理由で年払いにするのはリスクが高いといえます。

■コワーキングスペースは短期契約がおすすめ

東京都内のコワーキングスペースを利用する場合は、短期契約がおすすめです。その理由は社会情勢の急激な変化です。新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、テレワークへの協力を要請される場合があります。東京都を中心に緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が明けるまではオフィスの利用を控えたほうがよいケースもあるでしょう。ドロップインで短期利用にしていれば、社会情勢の変化に柔軟に対応できます。
また、倒産するコワーキングスペースも少なからずあります。2018年には名古屋市を中心に全国展開していた事業者の倒産も起きています。東京都のような大都市では過当競争で経営が悪化する可能性もあるでしょう。年額プランで契約していた場合、返金されない事態も考えられます。短期契約にしておいたほうが安全性は高いといえます。
もう1つは、レンタルオフィスに移転しやすいことです。事業の発展によっては、コワーキングスペースからレンタルオフィスにステップアップしたい場合もあるでしょう。年額プランにしてしまうと移動しにくいという意識が働き、ステップアップが遅れる可能性があります。その点1カ月ごとの月額料金やドロップイン契約であれば、柔軟にオフィス戦略を検討することができます。
一般のオフィスビルに入居する場合は2年契約が一般的ですが、小規模オフィスは短期で利用できるのがメリットなので、コワーキングスペースを長期契約で考えるのは得策とはいえないでしょう。

・野村不動産が提供する多拠点型シェアオフィス「H1T(エイチワンティー)」を紹介

野村不動産が提供する多拠点型シェアオフィス「H¹T(エイチワンティー)」は、コワーキングスペースの手軽さと、レンタルオフィスの充実した機能を併せ持ったオフィス形態として注目されています。H1Tの一番の特徴は入会金・月会費などの固定費は無し、完全従量課金制ということです。また、ビジネスの中心である都心はもちろん、社員の皆さまがお住いの郊外エリア、主要地方都市など、提携店込で200店舗を超える拠点があります。(2022年3月予定)
オフィスの特徴としては、全席で会話・通話・WEB会議が可能なことです。席もボックス席、ブース席、オープン席、WEB用の一人用会議室は防音性に配慮した個室型、キューブ型とレンタルオフィス並みの豊富なバリエーションがあります。社外の人を呼んで利用できる会議室は2~12名まで用意されており、デザイン性の高い空間と遮音性に配慮した室内で大事な内容を周辺の人に聞かれる心配もありません。
15分単位から予約できる料金設定になっているため、無駄なく利用することができるのもメリットです。

オフィス内のデザインにもこだわり、快適性を追求したH¹Tは、時間貸しできめ細かく利用したい人には大変便利です。
コワーキングスペースがフリーアドレス形式でスペースをシェアするのに対し、シェアオフィスはその名のとおりオフィスをシェアするイメージです。そして、レンタルオフィスは個室が中心で、パソコンやインターネット環境が整備された貸事務所の性格が強くなります。いずれも普通のオフィスビルより安いコストで利用できる点では共通しています。
事業が拡大するにつれてオフィスをステップアップするのは喜ばしいことです。まずは手軽なコワーキングスペースやシェアオフィスでスタートし、次の目標としてレンタルオフィスへの入居を目指すのもよいでしょう。

(画像= Jacob Lund / stock.adobe.com)

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