テレワーク時代におけるオフィスの在り方・役割とは?
公開日 2023.03.31 更新日 2023.04.03
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新型コロナウイルス対策として、新しい働き方として定着したテレワーク。テレワークの普及に伴い、オフィスの在り方・役割も大きく変わりつつあります。テレワーク時代のオフィスは、今後どう変わっていくのでしょうか。
本記事ではテレワーク時代に求められるオフィスの役割とともに、多様化するオフィスの形態をご紹介します。テレワークの活用に便利なオフィスについても解説しますので、テレワークにふさわしいオフィスを探している方は参考にしてみてください。
<目次>
■テレワーク普及によりオフィスが多様化
テレワークの普及により、オフィスの形態は今後ますます多様化していくと予想されています。これまでのような一拠点集約型のオフィスは、これからどのように変化していくのでしょうか。
まずは企業が実施しているテレワークの現状から見てみましょう。
2022年3月に発表された国土交通省の「テレワーク人口実態調査(※1)」によると、雇用型就業者のうちテレワークを実施している人の割合は2021年に27.0%となり、過去最高値を更新しました。その中でも、週に1日以上テレワークを実施している人の割合は2021年時点で約78%に増加しています。
勤務地域別では、どの地域でも前年度に引き続き、テレワークを実施している人の割合は上昇しました。とりわけ首都圏では大幅に上昇して、2021年は42%という半数に迫る割合になりました。
ただし、「テレワークを導入するからオフィスは不要」という訳ではありません。多くの人はテレワークで働く場所に自宅を選んでいますが、「自宅では仕事に集中できない」「家族がいて仕事をやりにくい」と感じる人も少なくありません。国土交通省の同調査では、41.6%の人が「自宅だと家族に気兼ねする」と回答しています。また「仕事をする部屋や机・椅子、インターネット環境やプリンター・コピー機などの環境が十分でなく不便」といった旨の回答は、61.4%と過半数を占める結果になっています。この中には、自宅で仕事をすることによる設備の不足が含まれていると考えられます。
そうした中で、近年注目されているオフィスの形が、「フレキシブルオフィス」です。フレキシブルオフィスとは複数の企業・個人が、同じビルやスペースを共有する形で働くオフィスのことです。サテライトオフィス・コワーキングスペース・レンタルオフィスなど多様な形があり、これらを総称してフレキシブルオフィスと呼びます。
個人やスタートアップに加えて、大手企業のフレキシブルオフィス利用も増加しています。株式会社日本能率協会総合研究所の調査によると、フレキシブルオフィス市場は拡大し続けており、2020年度に800億円規模だった市場は、2026年度には2,300億円規模まで拡大すると予測されています。(※2)
なお国土交通省の調査によると、テレークを実施している就業者の約84%が、新型コロナウイルスの感染収束後も「テレワークを継続したい」と回答しています。今後もテレワークが継続していけば、オフィスの形がますます多様化していくのではないでしょうか。
※1 出典:国土交通省「令和3年度テレワーク人口実態調査-調査結果-令和4年3月」
https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/content/001471979.pdf
※2 出典:株式会社日本能率協会総合研究所「MDB Digital Search 有望市場予測レポートシリーズ」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000035568.html
■テレワーク時代により変わりゆくオフィスの役割
社員の多くがテレワークに取り組むようになると、これまでのような全社員が集まる集約型オフィスは、必要不可欠なものではなくなってきました。ここでは今後、オフィスに求められる役割をご紹介します。
●直接コミュニケーションを取る場所
テレワーク時代を迎え、オフィスはますます「社員同士が直接顔を合わせてコミュニケーションを取る場所」として捉えられるようになってきました。
もちろんテレワークであっても、ビジネスチャットツールやウェブ会議などでコミュニケーションを取ることは可能です。しかしリアルタイムで直接話すのと比べると、細かなニュアンスまでが伝わりにくいと感じる人もいるでしょう。
テレワークに孤独感や疎外感を覚える人もいます。先述した国土交通省の調査でも、テレワークの悪い点として「職場にいないため疎外感・孤独を感じる」や「職場でどのように評価されているか分からず不安」と回答した人が、それぞれ4割以上という結果になりました。
コミュニケーションが不足すると、企業カルチャーの醸成や信頼関係の構築が困難になってしまうかもしれません。オンライン上のやりとりだけでは、誤解や認識のずれなど小さなトラブルが原因でストレスを感じてしまう可能性もあります。そうなると労働生産性が低下してしまうでしょう。
テレワークでのコミュニケーション不足を解消するには、先述したフレキシブルオフィスの活用も有効です。少人数のチームでオフィスを利用することで、チームの信頼関係も構築できます。チームのメンバーだけでなく社外の人ともコミュニケーションが可能な共有スペースを利用すると、孤独感も感じにくいはずです。
●心理的安全を感じられる場所
オフィスは社員の心理的安全性を担保する場所として、重要な役割を担っています。心理的安全性とは、組織内で自分の個性や能力を安心して発揮できると思える状態のことです。
心理的安全性が保証されると、情報共有が促進され、アイデアも浮かびやすくなります。社員同士が互いの個性を尊重するため、個々の強みや独創性も発揮できるでしょう。結果として目標達成のスピードが速くなり、離職率の低減も期待できます。
心理的安全性のベースにあるのは社員同士のコミュニケーションです。コミュニケーションの活性化には、オフィス環境が重要になります。リアルな空間での雑談を可能にするオープンスペースを設けたり、フリーアドレスの導入で多様な人と会話するきっかけをつくったりするのも有効です。
●働く場所の選択肢の一つ
テレワークが日常化しても、オフィスは社員が働く場所の選択肢の一つとして残しておくべきです。先述の通り、自宅では働きにくいと感じる人がいるのも事実です。実際には、「家に居るとオン・オフの切り替えが難しい」「家族が気になって集中できない」「ついサボッてしまう」などの声もあるでしょう。そうした社員のニーズに応えるのも、オフィスの大切な役割と言えます。
■テレワークのメリット

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オフィスの役割を把握した上で、今度はテレワーク導入のメリットを確認しておきましょう。具体的には以下の4つが挙げられます。
1.さまざまなコストが削減できる
2.生産性の向上、業務効率化につながる
3.優秀な人材の確保につながる
4.時間効率が上がる
●生産性の向上、業務効率化につながる
テレワークでは社員が自由に働く場所を選ぶことで、従業員の生産性を高める効果が期待できます。生産性が高まると業務も効率化するでしょう。
コロナ禍前の2017年に発表した総務省の調査(※)でも、50.1%の企業が、テレワークの導入目的として「労働生産性の向上」を挙げていました。同時にテレワークの導入企業の82.1%が、テレワーク導入により目的とする効果を得たと回答しており、テレワークが労働生産性を向上させることが実感されていることが伺えます。
※出典:総務省「平成30年版情報通信白書 第4節 ICTによる多様な人材の労働参加促進」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/pdf/n4400000.pdf
●優秀な人材の確保につながる
テレワークでは住んでいる場所に関係なく、人材の採用が可能です。そのためテレワークを導入した企業は、これまで勤務地の条件が合わず採用できなかった優秀な人材を採用しやすくなりました。出産・育児・介護など、家庭の変化によって通勤が難しくなってしまった人でも、活躍できる環境を用意しやすくなるはずです。
●時間効率が上がる
テレワークでは通勤時間の削減・短縮が可能です。通勤時間を削減・短縮できた分、実務に充てられる時間が増え、効率的に仕事が進められるでしょう。満員電車での通勤は疲れも溜まってしまいます。テレワークで通勤時間が削減・短縮できると、作業の効率も上がるはずです。
■テレワーク時代に合ったオフィスサービス

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オフィスの役割を押さえつつも、テレワーク時代に合った効率的な働き方としておすすめなのが、柔軟な利用や契約ができるフレキシブルオフィスの活用です。フレキシブルオフィスの多くは、仕事に必要な最低限の設備や、通信環境を用意しているため、自宅作業のデメリットを解消できるような環境で、テレワークを実施できるでしょう。
一口にフレキシブルオフィスといってもさまざまな形があります。最後にテレワークに適したフレキシブルオフィスを紹介します。
●レンタルオフィス(サービスオフィス)
レンタルオフィスは、自社専用のワークスペースを借りられるフレキシブルオフィスです。
個室だけでなく、共有スペースのあるレンタルオフィスも多く、個室と共有スペースを使い分けるなど、多様な働き方ができます。会議室があるレンタルオフィスなら、多人数でのミーティングも可能です。
またレンタルオフィスの中でも、有料オプションで受付対応や不在時の宅配物対応、フリードリンクなどのサービスが充実しているレンタルオフィスのことを、サービスオフィスと呼ぶ場合もあります。サービスオフィスを選べば、より快適な環境を簡単に整えられるでしょう。
●コワーキングスペース
コワーキングスペースとは、さまざまな職業の人たちが空間を共有しながら仕事する、オープンスペースのことです。多くの場合フリーアドレス制で、利用者は空いている座席を自由に選んで仕事を行います。
利用料金はフレキシブルオフィスの中でもリーズナブルで、時間単位で利用できるコワーキングスペースもあります。
ただし一般的なコワーキングスペースには、個室はありません。そのため施設によっては周囲に大勢の利用者がいて集中できないケースなど、テレワークに向かない可能性もあります。またコワーキングスペースのフリーWi-Fiは基本的に利用者が誰でも使えるため、利用する場合はセキュリティ対策も必要です。
●サテライトオフィス
サテライトオフィスとは、企業や団体の本社・本拠地から離れた場所に衛星(サテライト)のように設置されたオフィスのことです。支社・支店・営業所のような本格的な事務所でなく、フレキシブルオフィスをサテライトオフィスとして利用する企業も増えています。
サテライトオフィスは、通勤する社員の利便性を考え、テレワークを前提に設置されるケースが大半です。そのため社員が通勤しやすい郊外や、地方の人材がいる都道府県に置かれることもあります。また都心に複数拠点を置く目的で、サテライトオフィスを設置するケースも多いです。
●シェアオフィス
シェアオフィスは、空間を他社と共有しながらワークスペースとして活用できる施設の総称です。広義の意味ではレンタルオフィスの共有スペースや、コワーキングスペースもシェアオフィスの一つと言えるでしょう。
シェアオフィスではスペースだけでなく、コピー機やシュレッダーなどのOA機器も共有することが多いです。そのため完全個室タイプのレンタルオフィスより、利用料金もリーズナブルな傾向にあります。個人事業主やスタートアップ企業にも多く利用されています。
シェアオフィスは同じスペースでさまざまな人と仕事をするため、利用者同士でコミュニケーションできるのが大きな特徴です。異業種の人と知り合うことで、人脈形成にもつながるでしょう。
■まとめ
テレワークにはコスト削減・生産性の向上・業務効率化・優秀な人材の確保など、さまざまなメリットがあります。新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの企業が導入を進めましたが、一過性のものではなく、今後もさまざまな働き方を推進する上で、多くの企業が実施していくものでしょう。それと同時に社員がテレワークで働きやすい環境を整えるなら、フレキシブルオフィスの利用も検討してみましょう。フレキシブルオフィスでは、自宅でのテレワークより更に快適な環境を用意することで、業務効率化を更に促進することが期待できます。
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