起業して事業を軌道に乗せるには、どのようなオフィスを選ぶかが重要なポイントです。しかし、賃貸オフィスを借りるには、敷金や業務に必要な設備の購入などの初期費用がかかります。

近年、初期費用を抑えて起業したい人やスタートアップ企業に人気なのが、レンタルオフィスです。本記事ではレンタルオフィスで起業するメリットや注意点をご紹介します。初期コストを抑えて起業したい人は参考にしてみてください。


<目次>

■レンタルオフィスとは

レンタルオフィスとは名前の通り、一定期間レンタル利用できるオフィスのことです。従来型の賃貸事務所のように敷金などを必要とせず、数ヵ月からレンタルできるという特徴があります。もちろん数年単位での利用も可能で、フレキシブルな契約ができるため、起業を予定している人やスタートアップ企業にとっては、使い勝手のよいオフィスと言えるでしょう。

従来の賃貸オフィスでは、何も置かれていないビルの一室を借り、自分たちでデスクや椅子、OA機器などを揃える必要がありました。その点レンタルオフィスは、多くの場合、ビジネスをする上で最低限必要となる設備があらかじめ用意されています。

他の企業と共用スペースが使用できるのは、シェアオフィスやコワーキングオフィスも同じですが、レンタルオフィスではワークスペースとして個室も用意されているのが一般的です。

またレンタルオフィスには会議室や応接スペースなども備えているタイプがあります。さらには有人受付による来客対応や郵便受取対応、不在時の宅配物対応などのサービスを提供している施設も少なくありません。
最近は社員が気分転換できるリフレッシュスペースを設けるレンタルオフィスも増えています。

入居者が受けられるサービスは、レンタルオフィスによって変わってくるため、起業に際してレンタルオフィスを探す場合、どのようなサービスや特徴があるかを確認して選ぶと良いでしょう。

■レンタルオフィスで起業するメリット

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レンタルオフィスでの起業にはさまざまなメリットがあります。ここでは起業する人にレンタルオフィスをおすすめする理由をご紹介します。

●利用料・初期費用を安く抑えやすい

レンタルオフィスで起業すると、従来型の賃貸オフィスに比べて、初期費用を抑えやすくなります。従来は入居の前に敷金 などがかかり、まとまった費用が必要でした。法人契約では、敷金 だけで月額賃料の6〜12ヵ月分が必要となることも多く、例えば月額賃料が30万円の物件ならば180万〜360万円ほどかかるのが普通でした。

一方多くのレンタルオフィスでは、初期費用が従来型賃貸オフィスほど多くかかりません。保証金や契約事務手数料など、初期費用が月額賃料の1〜3ヵ月分で済むのが一般的です。


また、従来型賃貸オフィスでは内装工事費も必要になります。机・椅子などのオフィス家具、プリンター・シュレッダーなどのOA機器の購入費用もかかるでしょう。しかし、レンタルオフィスには先述の通りビジネスに最低限必要な設備が一通り整っているため、オフィス家具は揃える必要がありますが、工事費や什器費のコストを抑えられることが多いです。

●オフィス維持の管理が軽減される

オフィス維持の管理が軽減されるのも、レンタルオフィスの特徴です。従来型の賃貸オフィスでは、オフィスの維持管理を自社で行う必要がありました。一方レンタルオフィスでは、原則として維持管理は施設側で行います。


また、従来型賃貸オフィスでは毎月変動する電気・水道といった光熱費なども自社負担ですが、レンタルオフィスではこれらの光熱費なども、月額賃料に含まれているケースがほとんどです。

初期コストだけでなくランニングコストも、レンタルオフィスの方が抑えられるでしょう。

維持管理で言えば、レンタルオフィスでは清掃の手間もかからないケースが大半です。従来型賃貸オフィスでは社員が清掃したりゴミ出しをしたりするところもありますが、多くのレンタルオフィスでは施設側が清掃やゴミの回収などを行ってくれます。
レンタルオフィスではこれらの清掃費も、月額賃料に含まれているケースがほとんどです。

●社員数の変化に柔軟に対応できる

事業の計画変更や社員数の変化などに柔軟な対応ができるのも、レンタルオフィスのメリットです。起業は1名や2、3名の少人数で始めることも多いですが、その後、事業が軌道に乗ってきた際はスタッフを増員する必要もあるでしょう。

レンタルオフィスにはさまざまな人数に対応した広さの個室を用意している施設が多く、社員数の増加にフレキシブルな対応が可能です。


また、共有スペースを活用すると、人数の変化にも柔軟に対応できるでしょう。繁忙期で人数が必要なときだけ、集めたスタッフに共有スペースで作業してもらうなどの対応ができるためです。

スタッフの数を最大に見積もってスペースを確保してしまうと、人が少ない時期に無駄なスペースが生まれてしまいがちです。しかし、レンタルオフィスでは固定費を増やさずに人数の増減に対応することも可能です。

●立地の知名度を利用できる

地域ブランド力の高い場所にあるレンタルオフィスを選ぶと、立地のブランド力を利用できます。都心やビジネス街の一等地では、賃貸オフィスの月額賃料は高めです。レンタルオフィスなら、同じ立地でも最小限の面積を賃貸できることにより比較的安い月額賃料で、都心やビジネス街の一等地にオフィスを構えられるでしょう。

地域ブランド力の高い場所にあるレンタルオフィスを借りて、名刺や公式サイトに記載する住所とすると、住所の知名度を利用して、顧客や取引先からの社会的信用度を高める効果も期待できます。

■レンタルオフィスで起業する注意点

メリットの多いレンタルオフィスですが、起業する際には注意すべき点もあります。次の点に注意し、対策も考えた上で利用を検討してください。

●セキュリティが不安な場合がある

レンタルオフィスを選ぶ際は、セキュリティレベルのチェックが大切です。セキュリティが脆弱なオフィスを選んでしまうと、起業しても機密情報の漏えい・ウイルスへの感染などのトラブルに見舞われ、被害や影響が取引先や顧客などの関係者に波及した場合、いきなり大きなダメージをこうむる可能性があります。

レンタルオフィスの共用スペースで利用する無線LANやWi-Fiルーターは、関係者以外のデバイスから接続されないよう、推測されにくいパスワードの設定がある施設を選びましょう。また、個室では共用の無線LANでなく、自社でネットワークを手配する方が安全性は高くなります。

またレンタルオフィスは基本的に個室ですが、中にはパーティションで仕切られているだけの施設もあります。そうした施設では、デスクやスクリーンの情報を他人に見られてしまう可能性があります。情報が漏れてしまわないように注意が必要です。
その他、不審者の出入りを防ぐには有人受付がある施設や、生体認証など入退室管理システムが整っている施設を選ぶと安心できるでしょう。

●内装を自由に選びにくい

レンタルオフィスの内装は、基本的に従来型の賃貸オフィスほど自由に変更できません。自社のイメージや事業のコンセプトと合った内装に変えたいと考えても、変更できないケースがほとんどです。

内装にこだわりたい場合は、内覧して思い描くイメージの近いレンタルオフィスを選ぶとよいでしょう。また、レンタルオフィスには、家具の持ち込みが可能なタイプもあります。家具が持ち込めるタイプのレンタルオフィスなら、自分好みのレイアウトにすることも可能です。

■レンタルオフィスで起業する流れ

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次に、レンタルオフィスで起業するときの基本的な流れをご紹介します。

●資金計画を立てて資金調達をする

創業前には誰でも資金計画を立てるはずです。資金計画とは事業に必要な資金をどこで調達して、調達したお金をどう運用していくのかを計画することです。

中でも資金調達は大きな課題です。資金調達といっても公的融資・銀行融資・クラウドファンディング・ベンチャーキャピタルからの支援など、さまざまな方法があります。

資金調達をスムーズなものにするためにも、レンタルオフィスの活用で初期費用に余裕のある計画を立ててみてください。

●レンタルオフィスを探す

次に、自分たちに合ったレンタルオフィス物件を探しましょう。起業する際は「登記申請書」「定款」「印鑑届出書」など、さまざまな書類を提出する必要があります。これらの書類を作成するには、会社の所在地が確定していなければなりません。

立地や月額料金、サービス内容など、希望の条件を明確にした上で、情報を収集し、比較検討して候補をいくつかピックアップしてください。

●内覧に行って契約する

レンタルオフィスの候補を絞り込んだら、見学予約をした上で内覧に行きましょう。内覧では実際の設備や内装を自分の目で見て確かめることができます。最寄り駅からの距離や周囲の環境も自分の目や足で確認しておきたいところです。

ピックアップした物件を内覧していき、条件に最も合ったレンタルオフィスに申し込んでください。

●開業届・法人設立届出書を提出する

契約が成立したら、そこが会社の所在地です。個人事業主として起業するなら開業届に本店所在地を記入して税務署に提出しましょう。法人として会社を設立する際は、開業届ではなく法人設立届出書を税務署へ提出します。

■レンタルオフィスで起業する際のよくある質問

最後にレンタルオフィスで起業する際のよくある質問をまとめておきましょう。

●レンタルオフィスでも法人登記はできる?

ほとんどのレンタルオフィスは、所在する住所で法人登記をすることが可能です。ただし、運営・管理会社の中には「法人登記不可」としている施設もあるため、法人登記をする必要がある場合は、念のためホームページなどで確かめておきましょう。

なお会社の登記は、原則として登記期間が定められています。2023年2月現在の登記期間は、登記の事由が発生したときから原則2週間以内です。(※)

※出典:法務省「商業・法人登記 Q&A」  
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji69.html#08

●レンタルオフィスが向いている人は?

レンタルオフィスは初期費用を抑えて起業したい人に向いています。一人社長や少人数で起業する場合におすすめです。また個人事業主でも契約できるケースがほとんどのため、現在個人事業主として起業を予定していながら、近い将来には法人を立ち上げたいという人にも向いているでしょう。

■まとめ

起業をする際はオフィス検討が重要な要素となりますので、その際はレンタルオフィスを検討してみましょう。従来の賃貸オフィスと比べて初期費用を抑えられるだけでなく、オフィスの維持管理がしやすく、人数の変更にもフレキシブルに対応できることが多いです。セキュリティ面や提供しているサービスなども考慮して決めるとよいでしょう。

野村不動産グループが運営するサービスオフィス「H¹O」は、個室契約や法人登記ができるだけでなく、共用スペースや会議室を備えたサービスオフィスです。サービスオフィスとは、より充実したサービスを提供しているレンタルオフィスと考えてください。

有人受付による来客対応や生体認証といったセキュリティ対策を実施している他、ドリンクサービスやウェルネスフードの提供、リフレッシュスペースの設置などのサービスも充実しています。起業のためレンタルオフィスを探す際は、ぜひ「H¹O」のホームページを参考にしてみてください。

https://pixta.jp/

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