狭いオフィスがもたらすストレスとは? 6つの改善策や注意点の解説
公開日 2023.06.01 更新日 2023.06.07
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温度や湿度、明るさや清潔さなどのオフィス環境が、社員にストレスを与える場合があります。中でも狭すぎる空間は社員に閉塞感を抱かせてストレスの原因になりやすい傾向にあります。
本記事では仕事場の狭さが社員に与える影響や、改善のためのポイントをご紹介します。働く環境を整えて社員のストレスを軽減しながら、生産性の向上を図りたい企業の担当者の方は参考にしてみてください。
<目次>
■狭いオフィスがもたらすストレスの原因
狭いと感じるかどうかは、執務内容や各人の感覚によって異なるため、一概に定義しにくい部分もあります。広さには法的な基準もありません。しかし、社員が狭いと感じている場合、以下のような原因でストレスを感じている可能性があるため注意が必要です。
●デスク間の距離が近くプライバシーが確保できない
デスク間の距離が近すぎる場合、プライバシーの確保が難しくてストレスを感じる社員がいるかもしれません。常に自分の行動を見られているようで落ち着かなく、仕事の効率が悪くなることもあります。
他人との距離が近すぎると、パーソナルスペースに侵入されたと感じて不快に感じる人もいるでしょう。パーソナルスペースとは個人が安心感を覚える領域のことです。領域の内側に他人が入ってくると不快感を覚えるとされています。
パーソナルスペースの広さには個人差があり、相手との関係性で安心できる距離が変わるため一概にはいえません。ただしビジネスの場では、1.2mから3.5mほどの距離感が必要と考えられています。
●オフィス内の移動が手間になる
動線がスムーズでない場合もストレスの要因となる場合があります。動線とは人が移動する経路を線で表現したものです。出入口から作業スペース、あるいはデスクからコピー機やFAXなどの共有設備までの経路のことを指します。
動線が確保できていないと、目的の場所まで移動しにくいため作業効率も低下しやすくなります。スムーズな移動ができないと、安全面で問題が生じる可能性もあるでしょう。安全面に問題があると、社員が不安を覚えて高いパフォーマンスを発揮できなくなってしまいます。
●雑音が入ってしまい集中力が途切れる
狭い場所では雑音が耳に入って集中力が途切れることもあります。仕事場では電話やオンライン会議、接客する人の声などの発生が避けられません。人によってはキーボードを叩く音やボールペンをノックする音、咳払いやくしゃみの音などが気になってしまうこともあります。狭いとそうした雑音がより耳に入りやすくなるため、集中できずに作業効率が落ちる人もいるでしょう。
●社内コミュニケーションが制限されてしまう
狭さの影響で導線が確保できていないと、社内コミュニケーションも制限されやすくなります。例えば、上司やチームのメンバーに聞きたいことがあっても、移動が面倒で後回しにしてしまうなどの弊害が出るかもしれません。また社員同士の交流が滞りやすいだけでなく、伝達ミスなどが起こるかもしれません。
■ストレスによる組織全体のパフォーマンスの低下

狭さや雑音などの職場環境が、社員に慢性的で過度なストレスを与えている場合、組織全体のパフォーマンスを低下させる要素となってしまいます。
ストレスは処理能力を低下させてケアレスミスを増加させるなど、作業効率や生産性に悪影響を及ぼします。過度なストレスが続けば、うつ病や自律神経失調症になる社員が増えるなどメンタルヘルスにも影響しかねません。
働く環境が悪いと快適に働けないため、離職率も上昇しやすくなります。コミュニケーション不足で社内の人間関係が悪化するかもしれません。もし、狭さがストレスの要因となっているなら改善が必要でしょう。
■オフィス改善をする事前準備
社員のストレス要因となるような狭さであれば改善が必要です。ただし、より広い物件に引越す場合、月額賃料が上がるケースが多いだけでなく、保証金などの初期費用も必要です。
まずは現状の改善を検討してみましょう。改善のためにどのような準備をするとよいかをご紹介します。
●現在の使用状況を確認する
まずは社員の声を参考にしながら、現在の使用状況をチェックしてみましょう。どれくらいの広さがあると働きやすいのか、社員が希望する広さを確認してください。
同時にデッドスペースなどの無駄な空間がないかもチェックしましょう。あまり使っていない機器やキャビネットがある場合や、外出が多い人の固定デスクが場所を取っているような場合は改善の余地があるはずです。
●レイアウトをイメージする
現状を分析して無駄なスペースを省き、必要な広さを確保するには、どのようなレイアウトが考えられるかをイメージしてみましょう。
各社員がストレスなく業務できるスペースと、収納スペース・ミーティングスペース・来客用スペース・カフェスペースなどの構成比を検討してみます。レイアウトを考える場合は、他社のレイアウト事例なども参考にするとイメージしやすいでしょう。
●改善のための予算プランを立てる
改善のために必要な予算も計算しておきましょう。考えられる費用は、不要になったものを廃棄する費用やスペース確保のために購入する家具の費用、リフォーム工事費用やシステムの導入費用などです。家具の購入やリフォーム工事を行うなら、業者に見積りの依頼も検討してみてください。
■狭いオフィスに対する改善策

大がかりな内装工事をしなくても、狭さを改善する方法はあります。次にレイアウト改善に役立つ6つのヒントをご紹介します。スペースを有効活用する際の参考にしてみてください。
●1.書類の整理
執務スペースを拡大するコツの一つが、置かれた荷物や書類をできるだけ減らすことです。
例えば、あまり閲覧していない古い書類がダンボールなどに詰めて置かれている場合は要注意です。紙の書類はスキャンなどでデータ化して、クラウド管理するペーパレス化で省スペースに役立ちます。書類をデータ化すると、場所を取るキャビネットなどの保管スペースが不要になるかもしれません。
●2.オフィス全体の色使い
天井や壁、床や家具の色を変えるだけで、スペースを広く見せることもできます。
黒色やグレー、ネイビーなどの暗めの収縮色は空間を狭く感じさせます。反対に白やベージュなどの明るい膨張色には空間を広く感じさせる効果があるため、壁紙などにおすすめです。壁紙にはすっきり見えて、空間を広く感じさせる無地のタイプが適しているでしょう。
また、部屋全体に明るい膨張色を使用して家具の一部などにアクセントとなる強調色を取り入れると、空間にメリハリが生まれて奥行きのある広い空間を演出できます。
●3.オフィスレイアウトの変更
デスクやキャビネット、ソファなどのレイアウトを変えることで、スペースを有効活用できる可能性もあります。特に事務所面積の大半を占めるデスクは置き方次第で印象が変わりやすいアイテムです。
デスクを壁に向いて置き、社員が互いに背を向けて座る「背面式」、向かい合わせにデスクを置く「対向式」などでどう変わるか、まずは図面上で試してみてください。レイアウトを変えるとスペースの有効活用ができる可能性もあるだけでなく、社員の気分転換にも効果的です。
●4.デッドスペースの確認
デッドスペースを有効に使うことで、限られたスペースを最大限使えるようになります。部屋全体を見渡して、使える空間がないか確認してみてください。床以外にもデッドスペースがある場合も少なくありません。
例えば、空いている壁にホワイトボードやスクリーンを設置すると、ミーティングスペースとして利用できます。床に置いた観葉植物も空中に吊るせば、鉢植えのスペースを有効活用できるでしょう。
わずかなデッドスペースでも、背の高いテーブルを置くと立ちながらミーティングをするスペースに活用できます。立ちながらのミーティングには、会議時間を短縮できるメリットもあります。
●5.フリーアドレス
スペースを有効活用したいなら、フリーアドレスの採用もおすすめです。フリーアドレスとは固定席を設けずに、ノートパソコンなどを活用して自分の好きな席で働くワークスタイルのことです。
特に社員の外出やテレワークが多い職場の場合、個人のデスクを撤去して大きなデスクを置き各人が必要なときだけ利用すれば、省スペースを実現できます。フリーアドレスはスペースを効率よく使えるだけでなく、社内のコミュニケーション活性化にも有効なワークスタイルです。
●6.移転
レイアウトを変えたり、デッドスペースを見直したりしても、必要なスペースが確保できないときは、より広いオフィスへの移転も選択肢の一つです。移転には費用や時間がかかることもありますが、社員にストレスなく働いてもらって生産性を向上させる効果があるなら検討の余地もあるでしょう。
不足しているスペースをレンタルオフィスでカバーするのも有効です。レンタルオフィスであれば、新しい賃貸オフィスに移転するのに比べて初期費用が抑えられるケースがあります。数ヵ月の短期契約も可能な物件があるため、お試しでの利用も可能です。
■改善策を実施する際の注意点
狭いオフィスを改善する際には、注意したいポイントがいくつかあります。広さの確保だけに気を取られていると失敗するケースもあるため、以下のポイントにも気を付けてください。
●災害時を考慮したレイアウト
企業には社員の安全を守る責務があります。オフィスは、もし災害が起きたときに社員の安全を確保できるレイアウトにしなければなりません。レイアウトを検討する際は、災害時の被害を最小限に抑えるために、十分な通路幅の確保やオフィス家具の倒壊などで社員がケガをしない工夫も必要です。
●従業員が増えることも想定しておく
スタートアップや成長途上の企業は、成長に合わせた人数の増加にも柔軟に対応できるレイアウトを検討しましょう。人数が増える度にリフォームしなくて済むよう、あらかじめ稼働率の低いスペースを削っておく、共有デスクをフリーアドレスで使用するなど、増員にも対応できるようにしておくと安心です。
■まとめ
狭すぎるオフィスは、社員の生産性にも影響を与えます。本記事を参考にスペース確保の工夫をしてみてください。現状ではどうしてもスペースが確保できない場合は、レンタルオフィスを借りるのも方法の一つです。
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