働き方改革やコロナ禍におけるテレワークの導入で、オフィス移転を考えている方もいるでしょう。オフィス移転を行う理由は企業ごとにさまざまですが、オフィス移転を成功させるには、移転の理由を明確にしておく必要があります。

そこで本記事では、オフィス移転が必要になるよくある理由と、オフィス移転を成功させるためのポイント、オフィス移転にベストなタイミングをご紹介します。自社のオフィス移転を検討している方はぜひ参考にして、理想的なオフィス移転を実現させましょう。


<目次>

■ オフィス移転が必要になる理由とは?

オフィス移転が必要になる理由は企業によって異なります。いくつかの理由が組み合わさっている場合も珍しくはないです。まずは代表的な理由を見ていきましょう。

● 社員の増減の変化

社員の増減は、オフィス移転が必要となる代表的なケースです。事業規模が拡大したり、新規事業のための部署を設けたりしたのをきっかけに社員数が増えると、これまでのオフィスが手狭になってしまう可能性があります。社員数に対して明らかにオフィスが狭いと業務に差支え、社員のモチベーションも低下してしまいやすくなります。より大きなオフィスに移転すべきタイミングといえるでしょう。

また、事業規模の縮小などで社員数が減った場合も、オフィス移転を検討するとよいでしょう。実際の社員数に合わせた広さのオフィスに移転することで、月々の経費を削減できる可能性があります。

● 働き方改革・生産性向上

社員が働きやすい場所作りの一環としてテレワークやハイブリッドワークを導入し、オフィスを移転する企業もあるようです。

テレワークやハイブリッドワークを主軸とする企業の場合、出社する社員が少なくなるので、これまでほど広いスペースを確保する必要がなくなる可能性があります。その場合、ニーズに合った小規模なオフィスに移転したり、オフィス自体を手放してレンタルオフィスを利用したりといった工夫ができるようになります。

また従来のように出社を必須とする企業であっても、生産性の向上を目的としてオフィスを移転するケースもあるでしょう。リフレッシュできるスペースの確保や、社員同士がよりコミュニケーションの取りやすいレイアウトにするために、オフィスの移転を計画するのも一つの手です。

● 優秀な人材の確保

優秀な人材を確保するために、オフィス移転をするケースもあるでしょう。優秀な人材を確保するには、求職者に就職先・転職先として魅力を感じてもらう必要がありますが、その魅力を左右する要素の一つにオフィス環境が挙げられます。

誰もが「ここで働きたい」と思うような快適で洗練されたオフィスは、求職者への大きなアピールポイントとなるはずです。オフィス環境を整備する際は、広さやインテリアのおしゃれさだけでなく、働きやすいレイアウトかどうか、駅からのアクセスはよいかなども大切なポイントとして考えておきましょう。

● 企業のブランドイメージ戦略として

オフィスの立地は、企業のブランドイメージに大きな影響を及ぼす要素の一つといえます。そのため、企業のブランディングとして、オフィス移転を行うケースもあるでしょう。

ビジネス街には、特定の業種が集中している土地があります。例えば東京の場合、金融系は日本橋、IT系なら渋谷といったように、イメージが定着しているケースも多いです。自社の業種を踏まえて、同業の大手企業が集まっている地域にオフィスを移転すれば、ブランドイメージの向上につながるでしょう。

企業のブランドイメージが向上すれば、知名度や社会的な信用度の向上も期待できます。同業他社との関係も構築しやすくなり、情報交換が活発になるというメリットもあるでしょう。

● 業務縮小・拡大のため

「社員の増減の変化」や「働き方改革・生産性向上」とつながる部分もありますが、業務縮小・拡大を理由に、オフィス移転を行うケースもあり得ます。

業績が悪化して業務を縮小した場合や、テレワークの導入で出社する社員の人数を減らした場合、これまでよりも小さなオフィスに移転する必要が出てくるでしょう。反対に既存の事業や新規分野の事業を拡大する場合は、新たに人材を雇用したり設備を増設したりする必要があるため、より大きなオフィスに移転する必要が出てくることがあります。

● 経費(家賃コスト)の削減

経費を削減する目的で、オフィス移転をする企業もあるでしょう。

オフィス移転そのものにもある程度の費用がかかるのが一般的ではありますが、長期的な視点で見ると、よい場所があればなるべく早く賃料の安いオフィスに移転しておいた方が、経費削減効果が大きくなるはずです。また小規模なオフィスに移転すれば、水道光熱費の削減効果なども期待できます。

経費削減を目的としてオフィス移転を考えている場合は、新オフィスの契約料・引っ越し費用・現オフィスの原状回復費用といった移転にかかる費用の総額と、移転によって削減できるコストを比較してみましょう。

● 建物の老朽化・賃貸契約の終了

ここまでご紹介したのは自社理由によるオフィス移転ですが、自社の意思とは関係なくオフィス移転が必要になるケースもあるでしょう。具体的にはオフィスを構えている建物の老朽化や、賃貸契約の終了などが考えられます。

契約内容にもよりますが、建物が老朽化して建物のオーナーが取り壊しの判断をした場合、退去の必要性が出てくることが多いです。また、賃貸契約が終了し、何らかの理由で賃貸契約の更新ができなかった場合も、一般的には契約期間が終了する前に新たなオフィスへ移転する必要があります。

自社の意思とは関係のないオフィス移転を避けるために、移転先を選ぶ際には、建物の築年数や契約更新に関する取り決めをしっかり確認しておきましょう。

■ オフィス移転を成功させるためのポイント

オフィス移転によるメリットを享受するために、これからご紹介する4つのポイントを把握しておきましょう。

● 1.目的を明確に定める

まず押さえておきたいポイントは、移転の目的を明確に定めることです。オフィス移転にはコストも時間もかかるため、目的が明確でないままオフィスを移転してしまうと、かかったコストや時間に対して得られるメリットが少なくなってしまう可能性があります。

例えば働き方改革の一環としてオフィスを移転しても、広さにこだわりすぎてアクセスの悪い立地にオフィスを構えてしまうと、社員のモチベーションが低下してしまう恐れがあります。また広さと立地にこだわりすぎて家賃を度外視してしまうと、事業の継続そのものが難しくなってしまうでしょう。

オフィス移転を成功させるためには、第一優先とする目的を明確にした上で、外せない条件や妥協できるポイントを洗い出し、多角的に見て問題のない物件を選ぶことが大切といえます。

● 2.将来的な成長を考慮した立地・物件を選ぶ

オフィスの移転先を選ぶ際は、現状だけでなく将来的な成長を考慮した立地・物件を選ぶことも大切なポイントとなるでしょう。

今後の成長を見込んでいるスタートアップ企業などにとっては、ブランド力のある立地にオフィスを構えることで、取引先からの信用を得やすくなる効果が期待できます。10・20年後に会社が成長し、業務拡大して雇用する社員が増えることを想定しているのなら、想定する社員を確保しても問題ない広さのオフィスが必要になると考えられます。

もちろん現状で無理のない立地・物件を選ぶことが大切ですが、予算内で成長を見越した立地・物件を探してみましょう。

● 3.移転業務の管理

スムーズにオフィスを移転するには、移転業務の管理をしっかりと行うとよいでしょう。移転業務は総務部などが中心となって進めることが多いですが、会社の規模によっては各部署から担当者を選定し、プロジェクトチームを発足するケースもあります。

総務部やプロジェクトチームを中心に、タスクの洗い出しや、各タスクの担当者、スケジュールを決めましょう。オフィス移転は原則全ての社員に影響する事柄です。独断で進めてしまうと混乱が生じる可能性があるため、社員の意見を吸い上げながら、通常業務への支障が少ないスケジュールを組むことが大切といえます。

● 4.働き方改革を社内で浸透させる

オフィス移転を機に働き方改革を進めていくのであれば、自社が行う働き方改革の目的を社員に周知し、理解を得る必要があるでしょう。働き方改革に関して社員の理解を得ないまま進めてしまうと、移転後の実務に混乱が生じてしまう可能性が高いです。

まずはどのような働き方改革を実施するのかを明確にし、その目的を洗い出しましょう。その後、経営陣からのメッセージの発信やイントラネットの活用などで、抱えている課題や働き方改革の目的、導入のメリットを社員に伝えるのがおすすめです。また社員研修を実施し、新しい働き方に対応できるようサポートするのもよいでしょう。

■ オフィス移転のベストなタイミングとは?

オフィス移転を決めると「移転の時期はいつにするのか」という問題に直面するはずです。オフィス移転が多い時期は、節税効果が得やすい1〜3月、年末の繁忙期前にあたる9〜10月前後、新年度がスタートしてから一旦落ち着く5月だといわれています。ただし企業ごとに事情は異なるため、あくまでも自社にとってベストなタイミングを見極めた上で、移転を実施しましょう。

オフィス移転のタイミングを考えるときは、自社の繁忙期を考慮した上で、企業のオフィス移転が少ない時期を選ぶとよいでしょう。オフィス移転が少ない時期を選べば、移転にかかるコストを抑えられる可能性があります。オフィス移転が少ない時期は、一般的な引っ越しの閑散期と同じ6〜8月頃といわれています。この時期は引っ越し費用が安く設定されていることが多く、移転先となる物件も比較的見つけやすいと考えられます。

またオフィス移転で節税を考えている場合は、1〜3月も効果的なタイミングといえます。この場合多くの企業は決算時期にあたるため、業務に支障が出ないよう事前に入念な準備をしておくことが大切だと考えられます。業務スピードを落とさずオフィス移転したい場合は、5月や9月にある大型連休の活用も検討してみるとよいでしょう。

■ まとめ

本記事ではオフィス移転が必要になる理由と、移転を成功させるために押さえておきたいポイントをご紹介しました。オフィス移転を成功させるためには、自社の課題や条件を洗い出し、より多くのメリットが得られる方法や移転先を選びましょう。

野村不動産の「H¹O(エイチワンオー)」は、新しい働き方を後押しするサービスオフィスです。受付や会議室、共有ラウンジなどを入居者様でシェアすることにより、スペースを効率的に使い、コストの削減も可能にします。働き方改革や生産性向上、コスト削減などでオフィス移転を考えている方は、ぜひ「H¹O」のサービスオフィスをご検討くださいませ。

おすすめコンテンツ

OFFICE LINEUP

野村不動産の多彩なオフィスラインナップ

お電話からのお問い合わせ・ご相談はこちらから call0120-888-425

営業時間/9:00~17:40(土・日・祝定休)
野村不動産株式会社 ビルディング事業一部
国土交通大臣(14)第1370号