世界の中でも比較的治安が良いといわれている日本ですが、オフィスを構える上でセキュリティ対策への取り組みは不可欠です。ところが、その重要性が分かっていながらも、どこから手を付けたら良いのか分からずに万全なセキュリティ対策が取られていないオフィスも多いのではないでしょうか。今回は、オフィスセキュリティに必要な対策や、セキュリティの取り組み方についてそのポイントを詳しく解説していきます。


<目次>

オフィスセキュリティの重要性

まず、オフィスのセキュリティを疎かにすることで、どのようなリスクが生じるのかを考えてみましょう。例えば、実際に部外者がオフィスに侵入をして金庫などが盗まれたり、従業員が傷つけられてしまったりという事態もそのひとつでしょう。

また、このように財産や人命が危険に晒される以外にも、近年は企業のサーバー上に保管されている顧客情報や機密情報などが外部からのハッキングによって流出してしまうリスクも高くなっています。そして、一度こうした事態が発生してしまうと企業は大変なダメージを受けることになり、企業としての信用や評判を大きく落としてしまう可能性もあるでしょう。こうしたリスクを未然に防ぐためにも、オフィスのセキュリティ対策は重要なのです。

オフィスセキュリティ対策

では、オフィスのセキュリティ対策を考える上でどのような項目を意識すれば良いのでしょうか。企業が意識すべきセキュリティ上の課題を詳しくみていきましょう。

人的対策

人的対策

人的対策というのは、一言でいうと社員教育です。研修などを実施して、従業員一人一人のセキュリティ意識を高めましょう。社内ルールを厳守しなければならないという意識を根付かせることが重要です。

たとえば、執務室や資料保管庫などへの従業員の出入りを厳しく管理する入退室管理システムを導入したとしても、カードキーやパスワードがいい加減に管理されていれば効果は望めません。従業員のセキュリティ意識を高めることは、内部不正の防止や情報セキュリティの強化にもつながるでしょう。

物理的対策

物理的対策は、オフィスへの物理的な侵入や持ち出しを防ぐための対策です。入退室管理システムの導入や、鍵のかかるキャビネット、金庫、監視カメラなどを設置しましょう。オフィスには金銭的に価値のある備品など数多くあり、それらが狙われることを防がなくてはなりません。現金や小切手、パソコン、プリンターなどの窃盗や破壊といったリスクに備える必要があります。

技術的対策

技術的対策は、情報セキュリティの強化です。セキュリティソフトの導入やアクセス権の設定、アクセスログの監視などを行い、不正アクセスやマルウェア感染などサイバー攻撃への対策を行いましょう。堅牢なセキュリティ環境を構築することで、万一、オフィスに侵入されてノートPCやハードディスクが盗まれるなどの被害にあった場合も、情報の流出を食い止め、被害を最小限に抑えられる可能性があります。

このような対策も、部外者の侵入だけでなく、内部の人間による犯行に対しても効果を発揮するでしょう。

オフィスセキュリティ対策の取り組み方

セキュリティ上の課題を正しく理解したら、次は必要なセキュリティ対策を取り入れていきましょう。ここからは具体的に何をすればよいかを、より詳しく説明していきます。

取り組み方のポイントは以下の通りです。

セキュリティゾーニング

セキュリティ管理のために、オフィス内のさまざまな場所でゾーン分けをすることを「セキュリティゾーニング」と言います。サーバールーム、執務室、備品庫など、部屋ごとに誰が入れるのかを明確に決めていきます。一般的な区分けとしては、社員のみが入室可能、管理職のみが入室可能、来客の入室可能、一部の社員のみが入室可能、誰でも入室可能という具合に、それぞれの部屋でレベル分けをするのです。

入退室管理

「誰が」、「いつ」、「どこに」入退室したのかを管理することは、オフィスセキュリティ対策に取り組む上で不可欠なことです。一般的な入退室管理では、出入りを制限したい部屋のドアに専用の機器を設置して、常にその扉を施錠した状態にします。ロックを解除する方法としては、暗証番号を入力するテンキー入力、カードやスマホをかざしてロックを解除するカード認証(スマホ認証)、指紋や顔などの生体認証などの方法が一般的です。

ネットワークセキュリティ

ネットワークセキュリティは、顧客情報の漏洩や機密情報の外部流出などを防ぐためにも欠かさず取り入れたい項目のひとつです。社内ネットワークへの侵入を防ぐために、ファイアウォールの設置を行ったり、アクセス制限を設けたりすることで、ネットワークのセキュリティを向上させます。ネットワークセキュリティを行う際も、誰がいつそのネットワークにアクセスしたのかをしっかり管理しておくことが大切です。

収納セキュリティ

オフィスのセキュリティ対策で意外と忘れてしまいがちなのが、書類や備品などを保管する収納部分のセキュリティです。顧客情報や企業情報などの他に、近年は社員のマイナンバーも会社で保管するケースも増えているため、外部と内部両方からの情報漏洩のリスクに備える必要があります。そのためには、収納に鍵をかけるという物理的な対策だけでなく、収納棚のある部屋への入退室を管理する必要もあります。

オフィスの安全性を確保し、従業員が安心して働くことができる環境を作るためにも、オフィスのセクリティ対策を見直してみませんか。

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