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2020.04.15 フリーランスとは違う? 個人事業主とは

会社を辞めて独立・開業する場合、「個人事業主」として起業をするのか、それとも「法人」を設立するのか悩む方は多いと思います。どちらにもメリットとデメリットがありますので、それぞれの特徴をきちんと理解した上で、自分の仕事の内容に合ったものを選ぶことが大切です。

今回は、独立・開業時の選択肢のひとつである「個人事業主」について、その特徴や他の働き方との違いなどを詳しく解説していきます。

個人事業主とは

会社を辞めて独立する場合の選択肢のひとつに、「個人事業主」というものがあります。簡単にいうと、株式会社などの法人を設立せず、また企業や団体などにも属さずに個人で事業をする人のことで、いわゆる「自営業」のことです。

「個人」というと「一人で仕事をしている」というイメージですが、実際には家族や雇用した従業員と一緒に事業をしている場合でも、法人を設立しているのでなければ「個人事業主」となります。独立・開業するにあたって、法人と個人事業主のどちらを選択するのかについては法的な制約はないため、開業する人が自由に選ぶことが可能です。

個人事業主とほかの働き方との違い

個人事業主として独立する場合、他の働き方とはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、フリーランスや会社員との違いについて詳しく見ていきましょう。

個人事業主とフリーランスの違い

個人事業主と同じような意味として使われることが多い「フリーランス」。両者の決定的な違いは「法人化しているかどうか」という点です。フリーランスというのは特定の企業などに所属しない働き方の総称ですが、フリーランスとして働く人の中には法人化している場合も少なくありません。

反対に、フリーランスの中でも法人化をしておらず、税務署に開業届を出している人は全て「個人事業主」になります。また、法人化しているフリーランスは、売り上げを法人の所得として申告するのに対し、個人事業主の場合は個人の事業所得を申告するという違いもあります。

個人事業主と会社員の違い

個人事業主が企業や団体に属さず個人で事業を行うのに対し、会社員というのは会社と雇用関係を結んで働きます。この2つの決定的な違いは、会社員は雇用先から給与の支払いがあるのに対して、個人事業主には「給与」というものがない点です。個人事業主の場合は、事業で得た収入から経費を差し引いたものが収入となります。

個人事業主と法人の違い

個人事業主と法人の違いは大きく分けて以下の3点です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

手続きの違い

個人事業主は「開業届」を税務署に提出するだけで個人事業主として認められますが、法人の場合には会社登記の書類を作成・申請して登記完了をする必要があります。また、登記完了後には「法人設立届」や「青色申告の承認申請書」、「給与支払い事務所等の開設届出書」などの提出も必要です。

経費の違い

個人事業主と法人とでは経費の範囲が異なります。一般的には個人事業主よりも法人の方が経費にできる項目が多く、節税効果が高いのが特徴です。

税率の違い

個人事業主の税金は、所得の5〜40%(所得に応じて税率が異なる)の「所得税」を支払う義務があります。一方、法人が納める税金に所得税はありませんが、代わりに所得の15〜25.5%の「法人税」を支払わなくてはいけません。また、住民税は法人の負担が大きく、事業税は個人事業主の方が負担が大きいという違いもあります。

社会的信用度

法人は会社を設立する際の登記申請をはじめ煩雑な手続きが必要で、個人事業主と比べて開業の難易度が高くなります。そのため、個人事業主と比べて社会的な信用度も高く金融機関からの融資も受けやすいという違いがあります。

個人事業主になる方法

では、実際に個人事業主になるにはどのような手順を踏めばよいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

開業届を出す

開業届というのは個人が「事業を始めた」ということを知らせるための書類で、税務署に提出をします。事業を始めた日から1カ月以内に所轄の税務署へ提出しましょう。開業届の書類は税務署の窓口か、国税庁のホームページから入手することができます。

青色申告の申し込みをする

個人事業主は、青色申告か白色申告で確定申告を行います。開業届を提出すると、青色申告が受けられるようになります。青色申告は、事業で得た所得から年間最大65万円を控除した額に課税することが可能で、節税効果が高いためおすすめです。開業届と一緒に青色申告承認申請書を税務署に提出しましょう。

国民健康保険への加入

会社員として働いていた時には、会社が個人に変わって保険料の支払いをしてくれていましたが、個人事業主になったら自分で国民健康保険に加入して、支払いまでを行う必要があります。個人事業主として独立する以前に会社に勤めていた場合には、退職の翌日から14日以内に市役で手続きを行いましょう。その際には、運転免許証などの本人確認書類、マイナンバーカードや通知カード、社会保険の資格喪失確認通知書や離職票などが必要です。

これから起業を考えている方は、上記でご紹介した内容を参考に、個人事業主と会社員の違いや、個人事業主と法人の違いを正しく理解した上で、どれを選択するべきか検討し計画を立てていきましょう。

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