コロナ禍においてオフィスワーカーの働き方が根本的に見直されていることから、同じオフィスに全社員が一堂に会して働くという従来の働き方が変わりつつあります。働き方が変わっている時代のオフィスにはどのような変化が起き、今後のオフィスには何が求められるのでしょうか?本記事では視点を3つ解説します。本記事ではこれからのオフィスに求められる3つの視点、オフィスデザインの効果やトレンド・事例について解説します。


<目次>

■コロナ禍でオフィスのトレンドが変わっている

コロナ禍を契機に全国的にテレワークが加速的に普及しています。東京都が発表した「テレワーク実施率調査結果」によると、都内の民間企業(従業員30人以上)におけるテレワーク実施率は2020年3月時点では20%台でしたが、同年4月以降50%台ないし60%台で推移しています。
テレワークの普及に伴ってオフィスの目的も変わりつつあります。株式会社内田洋行が実施した「テレワーク時代のオフィスに関する実態調査」によると、回答者の4割近くがテレワークの導入により社内でオフィスの目的が見直されたと回答しました。

テレワーク時代において、出社する人数の減少により余ったスペースをどうするか、オフィスをどう活用するかといった点について検討が必要と考える方が多くなっていることも示唆されています。
働き方の変革により、オフィスのトレンドやニーズにも変化が起きているといえるでしょう。

■オフィスデザインの効果

オフィスデザインとは、オフィスのコンセプトやデザインなどオフィス全体の設計に関わるものを指すのが一般的です。例えば、計画前にオフィスの状態を調査してからインテリアデザインを設計することもオフィスデザインに関する活動の一つといえます。

近年では、オフィスデザインに企業独自のコンセプトを持たせると、オフィス機能の改善や組織的課題の改善も期待できると注目されています。そのためオフィスデザインを設計する際には、企業のコンセプトや経営者からのメッセージを含めるとよいでしょう。

オフィスデザインには、社員のモチベーションを高めることで生産性の向上につながるという効果も期待できます。また、カフェスペースなど社員が交流できる空間をデザインすれば、部署間の垣根を超えた風通しのよいコミュニケーションが活性化するはずです。

またオフィスデザインは企業のブランド力向上にもつながる可能性があります。例えば、おしゃれなカフェスペースがあると「社員が働きやすい環境に配慮している企業」というイメージが伝わると考えられます。カフェスタイルを社外に開放すれば、さらに企業の良いイメージが広く周知されるでしょう。

オフィスデザインは、オフィス機能の改善に加え、企業のメッセージや風土を社内外へアピールできる大きな手段といえます。


「おしゃれなオフィスで社員のモチベーション向上!オフィスデザイン事例とつくり方を紹介」

https://h1o-web.com/cms/html/column/118.html

■これからのオフィスに求められる3つの視点とは?

これからのテレワーク時代のオフィスに求められる視点は以下の3つです。
・フレキシブルかつ多様な働き方ができる
・コミュニケーションが活性化される
・オリジナリティのあるデザイン

これからのオフィスにはユーザビリティに加えて、それを高めるデザイン性が求められるといえるでしょう。

●フレキシブルかつ多様な働き方ができる

テレワーク時代においては、出社する人数やオフィスにいる時間帯が日によって異なるという働き方が主流になる会社もあるでしょう。
その日の出社人数や目的に合わせてフレキシブルかつ多様なレイアウトや場所、規模で仕事ができるという、働き方の選択肢の多さがこれからのオフィスには求められる
ということです。
例えば、商品の現物を実際に見たり触れたりしながら打ち合わせをする、お客様へのプレゼンを対面で行う、外回りの合間にオンライン会議に参加するといった多種多様な仕事内容・仕事のやり方に合わせて使えるオフィスがテレワーク時代には求められます。

●コミュニケーションが活性化される

テレワークの比率が増えることで実際に人と会って話す機会が減るため、対面でざっくばらんに仕事の相談をしたり人間関係を円滑にするためのアイスブレイクや雑談をしたりするといった社内外でのコミュニケーションに難しさを感じることも少なくないでしょう。
オンラインのみのコミュニケーションでは社内外の人間関係を深めて仕事をより円滑に進めることが難しくなるため、オフィスは数少ないオフラインでのコミュニケーションを取れる場として重要な役割を持つといえます。
新しいアイデアや人間関係を生むためのコミュニケーションが活性化されるオフィスがテレワーク時代には求められます。

●オリジナリティのあるデザイン

出社しなくても仕事が成り立つようになったテレワーク時代であるからこそ、オフィスは単なる「働く場所」ではなく、「エンゲージメントを高める場所」としての存在意義を発揮する場所になるでしょう。
「自分たちらしさ」というエンゲージメントを高めるために、オフィスのデザイン性を重視し、その会社のオリジナリティを出すという方法が挙げられます。
行きたくなるオフィス空間を創出することで、社員の自社への愛着心やお客様からのイメージを高めることにも繋がるでしょう。

■オフィスデザインのトレンド・事例

オフィスデザインを考える上で、企業のコンセプトやブランディング、社員の働き方など、検討すべきことは多く存在しています。その中でもオフィスデザインのトレンドや事例を押さえておくことは、企業にとって大切なポイントとなるでしょう。具体的なオフィスデザインのトレンドや事例を知ると、自社のオフィスデザインを設計する際に取り入れるべきアイデアとして参考になるはずです。

ここでは、オフィスレイアウトを変えるときに快適なオフィスを実現するための3種類のスペースの割合について解説します。また、オフィスデザインの事例として「バイオフィリックデザイン」「共有スペースを活用したデザイン」をご紹介しますので参考にしてください。

●オフィスレイアウト変更で取り入れたいスペース割合

近年のオフィススペースのトレンドに関する調査では、オフィス面積の拡張、縮小にかかわらずフレキシブルなスペースが増えているという傾向が見られます。

この調査では、社内のスペースを「固定席スペース」「会議室」「フレキシブルなスペース」の3種類に分けて、約1年間のオフィス全体の面積変化を数値化しています。

表を見ると、オフィス面積の拡張、縮小にかかわらず、フレキシブルなスペースが増えていることがわかります。この変化は、テレワークなど働き方が多様化したことで、必ずしも社員全員のデスクを必要としないことや、社員のコミュニケーションを重視する傾向によるものといえるでしょう。

ワークスペースとコミュニケーションスペースのバランスを考え、必要に応じて割合を変化させられるレイアウトが、オフィスの快適さにつながると考えられます。

「レイアウト変更で取り入れたいスペース割合のトレンド」

https://h1o-web.com/cms/html/column/52.html#block1767

●オフィスデザイン事例1:バイオフィリックデザイン

バイオフィリックデザインとは、バイオフィリアの考え方を取り入れた「自然を感じるデザイン」のことを指すのが一般的です。バイオフィリアは、バイオ(生き物・自然)とフィリア(愛好・趣味)を合わせた造語で、バイオフィリックデザインは、人は自然を感じる環境で幸せを感じるという仮説が基になっているといわれています。具体的には、オフィスに観葉植物・芝生・樹木を設置する、自然環境音を再生するなどの方法があります。

オフィスデザインの中でも、バイオフィリックデザインは働く人のストレスを軽減させる効果が期待できます。企業が働きやすい環境に配慮することで、社員の従業員満足度も向上すると考えられています。また、バイオフィリックデザインは社内のコミュニケーションが活性化する効果も期待できるとして、日本国内でも注目が高まっているデザインです。オフィスの緑化で社員間のコミュニケーションが増えると、それまではなかった新たなアイデアが生まれる可能性も高まるでしょう。

「バイオフィリックデザインとは? 都心部のオフィスで導入するべき理由と具体的な方法」

https://h1o-web.com/cms/html/column/194.html

●オフィスデザイン事例2:共有スペースを活用したデザイン

オフィスの共有スペースは、カフェスペースやリフレッシュスペースなど、社員が自由に利用できる空間を指すのが一般的です。近年では、多くの企業がオフィスに共有スペースを設けるメリットに注目しているようです。

社内の共有スペースを活用すると、従来よりも社員同士のコミュニケーションが活性化するというメリットが得られるでしょう。会議室などのかしこまった雰囲気のスペースとは違いリラックスして会話ができるため、社内の人間関係がより良くなる効果も期待できます。異なる部署の社員が気軽に利用することで、部署の垣根を超えた交流も生まれ、結果として企業の業績への好影響も生み出せるかもしれません。共有スペースでストレス解消ができれば、社員満足度の向上にもつながるはずです。


また、共有スペースは社員の休憩に留まらず多目的に活用できる点も、企業の導入メリットとしては大きいでしょう。例えば来客応対や求人に応募してきた人の面接などにも活用できると考えられます。セミナーやイベントを実施したり、夜間にバーとして開放したりといった使い方もおすすめです。

「オフィスにカフェスペースを導入するメリットは?働き方改革に欠かせない最新トレンドを解説」

https://h1o-web.com/cms/html/column/193.html

■H¹Oで自分らしくクリエイティブなオフィスライフを

野村不動産が手がけるサービス付き小規模オフィス「H¹O」(エイチワンオー)には、テレワーク時代のオフィスに求められるものが揃っています。
H¹Oは、個々のポテンシャルとチームのパフォーマンスを引き出すために以下4つの価値、「Value 4 Human」を提供するサービスオフィスです。
・Engagement(自分たちらしさ)
・Creativity(豊かな感性)
・Comfort(居心地のよさ)
・Wellness(心身の健康)

また、多拠点型シェアオフィスの「H¹T(エイチワンティー)」を組み合わせることで、従来の一拠点集中型のオフィス構成から、複数拠点に分散されたオフィス構成へシフトできるオフィスを提供しています。オフィスの分散化によって、その日の仕事に最も合理的な活動拠点で働くことができるようになります。
一人で集中して作業をしたいとき、チームメンバーとディスカッションをしたいとき、お客様との打ち合わせやプレゼンをしたいときといった多様な場面に応じて一人ひとり、一社一社が「自分たちらしい」働き方をフレキシブルに選べるということです。
H¹Oには個人用ブースや打ち合わせスペースなどに加えて、緑に囲まれた屋上テラスやラウンジが充実していたり、ドリンクサービスやウェルネスフードの提供があったりするため、社内外の方々とのコミュニケーションが自然と活性化されるオフィス空間をデザインしています。

テナントごとに分かれている専用個室は各テナントが好みに合わせて家具を設置することができるため、自社のカルチャーやオリジナリティが溢れる空間にカスタマイズすることができます。社員が「居場所」と感じられるオフィス空間を創出することで、自社のカルチャー醸成につながるでしょう。
H¹Oは各会社が自分たちらしい働き方と居場所を思い思いにコーディネートすることを通じて、自由でクリエイティブなオフィスライフを提供します。

(画像=Victor zastol'skiy / stock.adobe.com)

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